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(2024年8月 更新)
経営・管理ビザを取得するにあたって、ビザの申請前に会社を設立しておかなければなりませんが、その際にどの会社形態にするべきかということが問題になってきます。
よく株式会社というのは耳にする機会が多いと思いますが、その他にも有限会社、合同会社などが存在しますので、それぞれについて解説を行っていきます。
まず初めに会社の種類ですが、現在日本には
・株式会社
・有限会社
・合同会社
・合資会社
・合名会社
の5種類が存在しています。
ただし、有限会社は2006年の会社法施行で廃止されたため、現在は新たに設立することができません。
廃止された理由としては、もともと株式会社を設立するためには資本金が1000万円以上必要で役員も取締役が3名以上、監査役が1名以上必要などハードルが高いものでした。
それよりも小さい規模で会社を設立できるように資本金300万円以上、役員も取締役1名で設立可能にしていたのが有限会社だったのですが、2006年から株式会社を設立する際に資本金が1円でも可能になるなど、ハードルが低くなったことで有限会社の制度そのものの必要性がなくなったためです。
現在でも有限会社を見かけることがありますが、これは2006年の会社法施行の際にそのまま有限会社 (厳密には特例有限会社) でいるか、株式会社に移行するかの選択することができ、その際にそのまま有限会社で残った会社ということになります。
次に有限会社以外の会社について解説を行います。
日本で一番多いのが、この株式会社になります。
この株式会社は株式というものを発行して資金を調達し、そのお金で会社を運営していくという会社形態になります。
株式を購入してくれた人は株主となり、その会社のオーナー的な位置付けになります。
ただし、株式を購入してくれた人全員が会社経営に参加するというわけではなく、株主たちによって株主総会というものが開かれ、そこで選ばれた人が経営者として会社を運営していくことになります。
2006年の会社法により新しく設けられた会社形態になります。
あまり聞きなれないかもしれませんが、制度開始1年で5,000社ほど設立されており年々その数は増加の傾向にあります。
参考までに合同会社の有名企業を挙げると「AppleJapan合同会社」「Google合同会社」「アマゾンジャパン合同会社」「合同会社 西友」など誰もが一度は耳にしたことがあるような会社があります。
株式会社と違って出資者と会社経営者が同一となり、出資した社員に会社の決定権が与えられます。
責任については社員は有限責任社員となり、自身が出資した分だけの責任を負うことになります。
基本的には合同会社と同じで出資者と会社経営者が同一となりますが、大きな違いとしては社員が無限責任社員と有限責任社員に分かれているという点です。
有限責任社員と無限責任社員に分かれているということから、社員数も最低でも2人以上は必要になってきます。
合同会社でも解説をしましたが、有限責任社員は出資した以上の責任を負いませんが無限責任社員は負債全ての責任を負わなくてはなりません。
合名会社も基本的に合同会社、合資会社と同じで出資者と会社経営者が同一となります。
大きな違いとしては社員全員が無限責任社員で構成されているという点です。
この合名会社は少人数の会社で家族や親族など親しい間柄で設立する場合に適していると言われます。
ザックリとした説明ではありますが、現在設立することができる4つの会社形態について解説を行っていきました。
各会社形態の解説を見てもおそらく合資会社、合名会社はあまり魅力を感じることは少なかったのではないでしょうか。
会社の設立件数を見ても株式会社と合同会社の2形態がほとんどなので、実際に会社を設立する場合には株式会社と合同会社どちらかになるかと思います。
それでは次に株式会社と合同会社どちらの設立を目指すべきかをメリット・デメリットの面から検討していきましょう。
株式会社 | 合同会社 | |
メリット | ・知名度が高い ・資金調達の方法が豊富 ・株式の活用ができる ・上場できる ・多様な機関設計ができる | ・設立費用が安い ・設立手続きが簡単 ・スピーディな意思疎通が可能 ・社員が平等な発言権を有する ・会社内部のことは定款で自由に決めれる |
デメリット | ・設立費用が高い ・設立手続きが面倒 ・維持費が高い | ・知名度が低い ・上場できない |
この他にも細かい違いもありますが、2社の大きな違いは上の図のようなものになります。
これを踏まえてどちらの会社形態にすべきかを考えるようにしましょう。
一つの参考として、株式会社と合同会社のどちらが向いているかの指針をご紹介します。
・株式の上場を目指している
・株式による資金調達を考えている
・大規模な会社を経営していこうと考えている
・とりあえず法人を設立したい
・費用を抑えたい
・社内での決定権を平等にしたい
となります。
それでもどちらの会社形態が良いか迷ったり、詳しい会社設立費用が知りたいなどの場合は専門家にご相談されることをおすすめいたします。
今回は、経営・管理ビザの取得を目指すにあたり知っておくべき会社形態について解説を行っていきましたが、いかがだったでしょうか。
どの会社形態だからビザが取りやすい、というものはありませんのでご自身が目指す会社に合った形態を選択していただければと思います。
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