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今回は留学生の方が日本において経営活動を行っていくための経営・管理ビザへの変更について解説を行っていきます。
今現在、留学ビザをお持ちで卒業間近の方や卒業まではまだ期間があるけど、将来的には日本で会社経営をしたいとお考えの方にとって是非、参考にしていただければと思います。
目次
結論から言うと『可能』です。
一般的に留学生の方が学校を卒業後も引き続き日本に在留する場合に変更するビザは就労ビザとなることが多いのですが、ご相談者様の中には経営・管理ビザへの変更を希望される方もいらっしゃいます。
ただし、留学ビザから経営・管理ビザへの変更をする場合には、新規での取得や就労ビザからの変更の場合にはない注意点がありますので、そちらについて見ていきましょう。
留学ビザから経営・管理ビザへ変更するにあたって注意しなくてはならないパターンがいくつかあります。
ご相談者様の中には現在学校に通っているものの、その学校を中退して経営・管理ビザへの変更を希望される方もいらっしゃいます。
この場合でも取得することは可能なのですが、まず注意しなくてはいけないのは「なぜ経営・管理ビザの取得をしたいのか」という事です。
もちろん日本で経営活動をしたいから経営・管理ビザの取得を希望するわけですが、本来、留学ビザでは日本の学校に通って勉学に励むためのビザです。
それをわざわざ中退してまで経営活動をしたいというのであればしっかりとした合理的な理由が必要となってきます。
仮にその理由が「勉強についていけなくてもう学校に通いたくない」「出席日数などが足りなくなりそうだから今のうちにビザの変更をしたい」などといった理由であれば経営・管理ビザへの変更は厳しいものとなってしまいますので注意が必要です。
留学ビザの場合は学歴要件がありませんので、一見すると仮にその学校を卒業できなかったとしても問題がないように感じるかもしれませんが、ビザの審査においては在学中の成績や出席状況なども審査の判断材料となります。
そのため「この人は留学ビザの更新が難しいと思って経営・管理ビザへの変更を希望しているのではないか」と思われてしまうこともあります。
そうなれば当然、経営管理ビザへの変更は難しくなるでしょう。
留学ビザをお持ちの方の多くは資格外活動許可を得てアルバイトをされています。
そしてアルバイトをしている方の多くはしっかりと原則週28時間内という決められた範囲内で働かれていますが、残念ながら中にはオーバーワークをされている方が見受けられるのも事実です。
オーバーワークをされているという事は決められた内容を守っていないわけですから、在留状況が良くないと判断されてしまう事がほとんどです。
そのため、経営・管理ビザへの変更申請自体は可能ですが、不許可となってしまうリスクはかなり高くなってしまいます。
このような場合は一旦帰国して、経営・管理ビザを新規で取得を目指することをオススメします。
留学生の方は日頃から自分の働いた時間をしっかり管理してオーバーワークとならないように十分に気を付けるようにしましょう。
これは留学ビザに限ったことではありませんが、そのビザの本来の活動目的を行っていない期間が3か月以上経過してしまいますとビザの取り消し事由に該当してしまいます。
実際、学校を卒業後に在留期間が残っているからという理由で3か月以上本来の活動目的を行っていないからといって取消しとなることはあまりないようですが、ビザの変更には不利に働いてしまいますので注意をしましょう。
経営・管理ビザの要件には事業規模に関する要件があります。その要件を見てみると
イ.日本に居住する常勤の職員が2名以上勤務していること
ロ.資本金又は出資の総額が500万円以上であること
ハ.上記の二つの準ずる規模であると認められるものであること
となっております。
一般的にこの要件をクリアするには『ロ.資本金又は出資の総額が500万円以上であること』を満たすことが多いのですが、その際にこの500万円以上の金額をどのようにして準備したのかという証明が必要になります。
留学生の方が資格外活動許可により、そこで得たお金を出資金とするにしても原則週28時間という制限の中ではその額を貯めるのは困難です。
そのため場合によってはオーバーワークを疑われてしまうこともあります。
一般的には以前からコツコツ貯めた、親や親せきから借りたというのが多いのですが、それを証明するために送金記録や消費貸借書などを残すようにしましょう。
※ 経営・管理ビザの資本金についてはこちら。
これも質問を受けることがある内容なのですが、在学中に経営・管理ビザに変更したとしても通学自体は可能です。
ただし、経営・管理ビザは経営などを行うためのビザになりますので学業がメインになってはいけませんので、例えば大学であれば4年生になって週に2回程度の通学で済むというパターンであれば残りの日数を経営活動に回せますので通学は可能となります。
今回は留学ビザから経営・管理ビザへの変更について解説を行っていきましたが、自分ではビザが取れるかどうかの判断は難しいものです。
もしビザ取得の判断に悩んだ際は、effort行政書士事務所まで一度ご相談を頂ければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
※ 経営・管理ビザの料金はこちら。
※ 経営・管理ビザについてはこちら。