Column
Column
「外国人スタッフを雇うことで、店の雰囲気が変わった」
「外国語対応ができるようになり、観光客の来店が増えた」
これは、外国人雇用に積極的な飲食店からよく聞かれる声です。
グローバル化が進むいま、外国人スタッフの活躍は単なる“労働力の補填”にとどまりません。
このコラムでは、飲食店における外国人雇用の現状とポイントについてご紹介します。
飲食店、特に外国籍料理のお店に行くと外国人スタッフの方を見かける機会が多くなりましたが、彼らはいったい何のビザを持って働いているのでしょうか?
ビザの種類ごとに飲食店で行える仕事の内容が変わってきますので、それぞれ見てみましょう。
技術・人文知識・国際業務は就労ビザの一種で、いわゆるホワイトカラーの職種に就くためのビザになります。
ホワイトカラーの職種ですから、飲食店では「経理」「商品開発」「マーケティング業務」「管理業務」といったものが該当してきます。
ただし、どのような飲食店でも上記の内容の仕事であれば技術・人文知識・国際業務のビザを取得できるのかというと、そういうわけではありません。
例えば一店舗のみを営業している飲食店(小規模の店舗)で管理業務を行うために、技術・人文知識・国際業務のビザを取得しようとすると「それは外国人を雇ってまで管理業務をやる必要があるのか?」と思われてしまい、場合によってはホールで接客などの業務を行わせようとしているのではないか、という疑念を持たれて不許可になってしまう場合もありますので、ある程度の規模が必要となってきます。
また、先ほどもお伝えした通り、技術・人文知識・国際業務はホワイトカラーの職種を行うためのビザですから、接客などの単純労働や調理などは行うことができません。
※ 技術・人文知識・国際業務の詳細についてはこちら。
次にご紹介するの特定活動46号は、高い日本語能力を持った外国人の方が、その日本語能力を用いて円滑な意思疎通を要する業務に従事するためのビザになります。
特定活動46号のビザを取得するためには、学歴や一定基準以上の日本語能力を有していることなどハードルは高いですが、その要件をクリアすることができれば、技術・人文知識・国際業務では行うことができなかった接客の他にも外国人スタッフへの指導教育といった業務も行うことができます。
ただし、食器洗いのみを行うなどはできない点には注意が必要です。
※ 特定活動46号の詳細についてはこちら。
2019年4月に新設された特定技能制度は、人手不足が深刻化する業種で一定の技能水準を満たした外国人が即戦力として日本の現場で働くことを可能にしたビザです。
なかでも「外食業」は、外国人材の受け入れが可能な分野の一つとして注目されており、多くの飲食店が制度活用を進めています。
特定技能で行える業務は接客はもちろん、食材の仕込み・盛り付けといった調理や管理業務、店舗での清掃など幅広い業務を行うことができます。
特定技能で働くための要件は外国人の方が技能実習からの移行かどうかによって変わってきますが、移行ではない場合、「外食業特定技能1号試験」「日本語能力試験N4以上」などに合格する必要がありますし、雇入れようとする企業も食品産業特定技能協議会に加入する必要があります。
※ 特定技能の詳細についてはこちら。
私も好きなカレーや中華料理など外国籍料理の調理師の方を雇うためのビザになります。
行える業務は調理になりますので、接客等は行うことができません。
このビザを取得するためには実務経験が10年以上必要であるのに加えて、外国籍料理に特化した外国人調理師を雇う必要があることを証明することになります。
※ 技能の詳細についてはこちら。
先ほど外国籍料理の調理師を雇うために必要なものが技能と解説を行いましたが、日本の食文化の海外普及を目的に「日本料理」「ラーメン店」「そば・うどん店」「すし店」「お好み焼き店」等のお店で調理師として働くことができるのが、こちらの特定活動のビザとなります。
目的が『日本の食文化の海外普及』になりますので、在留期間の上限は5年(製菓衛生師資格を取得していない場合は上限3年)である点には注意が必要です。
具体的には「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」といったビザとなりますが、これらのビザは就労制限がないため、飲食店で就労する場合には接客や調理、管理業務など全般的な業務を行うことができます。
※ 永住者の詳細についてはこちら。
資格外活動許可はビザの種類ではなく、「留学ビザ」「家族滞在ビザ」など就労ができないビザでこの許可を受けることによって一定の範囲内で就労することができるというものです。
ただし、資格外活動許可を受ければどんな仕事でもできるわけではなく、
「法令(刑事・民事を問わない)に違反すると認められる活動」
「風俗営業、店舗型性風俗特殊営業若しくは特定遊興飲食店営業が営まれている営業所において行う活動又は無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業、店舗型電話異性紹介営業若しくは無店舗型電話異性紹介事業に従事して行う活動」
では働くことができない点には注意をするようにしましょう。
※ 資格外活動許可の詳細についてはこちら。
飲食店で外国人を雇用するには、仕事内容や雇用形態に応じた適切なビザの選定が不可欠です。
特に「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」「永住者・定住者・配偶者」などは、現場で働く上で重要な選択肢となります。
採用の際には、各ビザで活動できる内容や条件を正しく理解し、法令に沿った雇用を行うことが店舗の運営を行っていくうえでとても重要です。
ビザの種類によってできる業務内容や時間に制限がある場合もありますので、事前の確認を怠らないようにしましょう。
外国人雇用にお悩みの際は、お気軽にeffort行政書士事務所までご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。