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effortコラム

2023年07月23日外国人の雇用ビザの申請人について

ビザの申請人は誰?

(2024年7月 更新)

今回はビザの申請を行うことができる人は誰なのか、ということについて解説を行っていきます。

ビザの申請人については普段あまり考えないようないかもしれませんが、意外な落とし穴がある場合もありますので是非、参考にしていただければと思います。

ビザ申請時の原則

原則は申請者本人がビザの申請を行うこととなっております。

ビザの変更や更新などであれば既に何かしらのビザで日本に在留しているので、多くの場合は問題なく申請者本人がビザの申請を行うことができますが、海外在住の外国人の方が新たにビザを取得しようとしている場合はどうでしょうか。

申請者が海外にいるわけですから、外国人本人の方が申請するのは難しいですね。

その他にも申請者が子供や病気の方などの場合もまた本人が申請するのは難しいです。

その場合は代理でビザの申請を行うことができるようになっております。

この代理では、代理人の方が申請書類の作成・訂正・署名・申請などを行うことができるようになります。


申請代理人

入管法施行規則第6条の2の第3に代理人についての記載があり、同別表第4に詳しく書かれており、下記の通りになっております。

ビザ名代理人となれる者
外交・本人又は本人と同一の世帯に属することとなる家族の構成員が構成員となる外交使節団、領事機関等の職員
・本人と同一の世帯に属することとなる家族の構成員
公用・本人又は本人と同一の世帯に属することとなる家族の構成員が公務に従事する外国政府又は国際機関の本邦駐在機関の職員
・本人と同一の世帯に属することとなる家族の構成員
教授本人が所属して教育を行うこととなる本邦の期間の職員
芸術本人と契約を結んだ本邦の機関又は本人が所属して芸術上の活動を行うこととなる本邦の機関の職員
宗教本邦を派遣する外国の宗教団体の支部その他の本邦にある関係宗教団体の職員
報道本人と契約を結んだ外国の報道機関の本邦駐在機関又は本人が所属して報道上の活動を行うこととなる本邦の機関の職員
高度専門職・法別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第一号イ又はロに掲げる活動を行おうとする場合 本人と契約を結んだ本邦の機関の職員
・法別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第一号ハに掲げる活動を行おうとする場合、本人が経営を行い又は管理に従事する事業の本邦の事業所の職員
経営・管理・本人が経営を行い又は管理に従事する事業の本邦の事業所の職員
・本人が経営を行い又は管理に従事する事業の本邦の事業所を新たに設置する場合にあっては、当該本邦の事業所の設置について委託を受けている者(法人である場合にあっては、その職員)
法律・会計業務本人が契約を結んだ本邦の機関の職員又は本人が所属して法律・会計業務を行うこととなる機関の職員
医療本人が契約を結んだ本邦の医療機関又は本人が所属して医療業務を行うこととなる本邦の医療機関の職員
研究・本人と契約を結んだ本邦の機関の職員
・本人が転勤する本邦の事業所の職員
教育本人が所属して教育を行うこととなる本邦の機関の職員
技術・人文知識・国際業務本人と契約役を結んだ本邦の機関の職員
企業内転勤本人が転勤する本邦の事業所の職員
介護本人と契約を結んだ本邦の機関の職員
興行興行機関(興行契約機関がないときは、本人を招へいする本邦の機関)又は本人が所属して芸能活動を行うこととなる本邦の機関の職員
技能本人と契約を結んだ本邦の機関の職員
特定技能本人と特定技能雇用契約を結んだ本邦の機関の職員
技能実習・法別表第一の二の表の技能実習の項の下欄第一号イ、第二号イ又は第三号イに掲げる活動を行おうとする場合 企業単独型実習実施者の職員
・法別表第一の二の表の技能実習の項の下欄第一号ロ、第二号ロ又は代三号ロに掲げる活動を行おうとする場合 監理団体の職員
文化活動・本人が所属して学術上または芸術上の活動を行うこととなる本邦の機関の職員
・本邦を指導する専門家 ・本邦に居住する本人の親族
留学・本人が教育を受ける本邦の機関の職員
・本人が基準省令の留学の項の下欄第一号イ又はロに該当する活動を行う場合は、次に掲げる者
ア 本人に対して奨学金を支給する機関その他の本人の学費又は滞在費を支弁する機関の職員
イ 本人の学費又は滞在費を支弁する者
ウ 本邦に居住する本人の親族
・本人が基準省令の留学の項の下欄第一号ハに該当する活動を行う場合は、次に掲げる者
ア 本人が交換留学生である場合における学生交換計画を策定した期間の職員
イ 本人が高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)、中学校(義務教育学校の後期課程及び中等教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の小学部において教育を受けようとする場合にあっては本邦に居住する本人の親族
研修受入れ機関の職員
家族滞在・本邦において本人を扶養することとなる者又は本邦に居住する本人の親族
・本人を扶養する者の在留資格認定証明書の交付の申請の代理人となっている者
特定活動本人が所属して法務大臣が指定した活動を行うこととなる機関の職員、本人を雇用する者又は法務大臣が指定する活動に則して法務大臣が告示をもつて定める者
日本人の配偶者等本邦に居住する本人の親族
永住者の配偶者等本邦に居住する本人の親族
定住者本邦に居住する本人の親族

このようにしっかりと代理人となることができる者について決められています。

「とりあえず日本にいる友人に申請代理人になってもらって申請しよう」というような安易な考えでビザの申請を行わないように注意しましょう。

また、代理人は日本に滞在している方に限定されていますので、その点にも注意をしましょう。

そして代理人と混同しがちなものとして申請取次者というものがあります。


申請取次者

出入国在留管理庁のHPに『 申請等取次制度について 』というページがありますが、そちらには

在留期間更新許可申請等の在留諸申請や在留カードの記載事項変更等の手続については、地方在留管理局への本人出頭を原則としていますが、その例外として、法定代理人が申請を行うケースのほか、地方出入国在留管理局長が適当と認める者について、外国人本人の申請等の取次ぎを行うことを可能とする申請取次制度を定めています。

と記載されています。

申請取次者となれる者

申請取次者となれる者は受入れ機関等の職員、旅行業者の職員、公益法人の職員、弁護士、行政書士とされていますが、上記に該当すれば無条件で取次ぎを行えるというわけではなく、申請取次者となるためには条件があります。

弁護士、行政書士以外の場合は「地方出入国在留管理局長へ申請等取次の申請を行い、適当と認められること」とされおり、弁護士、行政書士の場合は「所属する弁護士会・行政書士会を経由して地方出入国在留管理局長に届出をすること」とされています。

もし、行政書士に申請取次を依頼する場合には、行政書士事務所ならどの事務所でも大丈夫というわけではありません。

行政書士の業務の範囲は非常に広く、多かれ少なかれ各事務所によって得意不得意があるものです。

そのため、国際業務を専門的に行っている事務所を選ぶようにすることをオススメいたします。

申請取次者が行えるもの

・在留資格認定証明書交付申請(受け入れ機関等及び旅行業者の職員は、申請取次ではなく、「代理人」として申請を行うことが可能)

・在留期間更新許可申請

・在留資格変更許可申請

・再入国許可申請

・在留カードの有効期間更新申請

・在留カードの住居地以外の記載事項変更届出

・在留カード再交付申請

・在留カードの受領

などを行うことができますので、書類の署名や訂正は行うことができない点には注意をしましょう。


まとめ

今回はビザの申請を行える人について解説を行っていきました。

「原則は本人申請というのはわかりました。もしお願いをする場合は代理と取次のどちらが良いですか?」という質問を受けることもあります。

私個人の意見ではありますが、取次ぎを専門的に行っている行政書士に依頼する方をオススメいたします。

在留資格の申請などは何度も行なうものでもありませんので、普段からその業務を行っている行政書士に依頼したほうがスムーズに進むことが多いためです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

まずはお気軽にご連絡ください。