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2024年03月09日技術・人文知識・国際業務技術・人文知識・国際業務での日本語能力について

技術・人文知識・国際業務の日本語能力

「技術・人文知識・国際業務ビザでは日本語能力が必要ですか?」

と企業の採用担当者の方からご質問を受けることがあります。

たしかに初めて外国人の方を雇用する場合には、この点について不安に感じる事もあるかと思います。

今回はそのような不安を解消するために技術・人文知識・国際業務ビザの日本語能力について解説を行っていきますので、参考にしていただけると幸いです。

※ 技術・人文知識・国際業務ビザについてはこちら

技術・人文知識・国際業務ビザについて

まず、技術・人文知識・国際業務ビザがどのようなものなのかについて触れていきたいと思います。

出入国在留管理庁のホームページを見てみますと

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(入管法別表第一の一の表の教授、芸術、報道の項に掲げる活動、二の表の経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、企業内転勤、介護、興行の項に掲げる活動を除く。)

該当例としては、機械工学等の技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務従事者等。

とされており、ホワイトカラーの職種に就く事ができる就労ビザの一種というイメージを持たれれば良いと思います。


技術・人文知識・国際業務ビザでは日本語能力が求められる?

それでは、技術・人文知識・国際業務ビザを取得するための要件として日本語能力は求められているのでしょうか。

結論としては基本的には求められておりません

しかし、働こうとしている職種によっては求められる場合があります。

例えば通訳や私企業での語学教師として働こうとした場合、ある程度の日本語能力がなければ相手に英語の意味を伝えられなくなってしまうので当然と言えば当然ですね。

もちろんその他にも職場で日本人とのコミュニケーションを図る際にも、ある程度の日本語能力がなければそれは難しいものです。

そのため必須の条件ではありませんが、申請人が日本語能力を有していることを証明できるに越したことはありません。

企業の採用担当の方も外国人の方を面接した際には、日本語能力がどのくらいあるのかについて把握する習慣をつけておくと良いでしょう。


日本語能力試験

では、どのようにして外国人の方が日本語能力を有しているかを証明すれば良いのかというと、一般的には日本語能力試験の結果で証明することが多いです。

世界最大規模の日本語能力試験JLPTではN1~N5(N5から始まりN1が最高レベル)の5段階でレベルが分かれておりますが、通訳や翻訳業務等ではN2以上のレベルは欲しいところです。

また、それ以外の職種でも業務中に日本語でのコミュニケーションを行う場合にはN3以上のレベルがあると良いと思います。

JLPTの認定の目安

N1

読む:論理的に複雑な文章や抽象度の高い文書を読んで、構成・内容を理解できる。また、内容に深みのあるものを読んで、話の流れ、表現意図を理解できる。

聞く:幅広い場面で、自然なスピードのまとまりのある会話やニュース、講義を聞いて、話の流れや内容、登場人物の関係や内容の論理構成などを詳細に理解したり、要旨を把握できる。

N2

読む:新聞、雑誌の記事・解説、平易な評論など論旨明快な文章であれば内容を理解できる。また、一般的な話題の読み物の流れ、表現意図を理解できる。

聞く:幅広い場面で、自然なスピードのまとまりのある会話やニュースを聞いて、話の流れや内容、登場人物の関係を理解したり、要旨を把握したりできる。

N3

読む:日常的な話題について書かれた具体的な内容を表す文章を読み、理解できる。新聞の見出しなどから情報の概要をつかむことができる。また、難易度が高い文章は言い換えられていれば要旨を理解できる。

聞く:日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話なら、内容がほぼ理解できる。

N4

読む:基本的な語彙や漢字を使って、身近な話題の文章を読み、理解できる。

聞く:日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話なら、内容がほぼ理解できる。

N5

読む:ひらがなやカタカナ、基本的な漢字で書かれた定形的な語句や文、文章を読み、理解できる。

聞く:日常生活のなかで出会う場面で、ゆっくり話される短い会話なら、必要な情報を聞き取れる。


まとめ

今回は技術・人文知識・国際業務ビザで日本語能力が求められるかについて解説を行っていきました。

ビザの要件とはされておりませんが、追加資料として日本語能力を証明する資料の提示を求められることもありますので、もし採用しようとお考えの外国人の方が日本語能力試験の結果をお持ちの場合は、申請書類の提出時に一緒に提出することをオススメします。

また、今回は日本語能力試験はJLPTのみ紹介しましたが、他にも「ビジネス日本語能力試験BJT」などもありますので「外国人の日本語能力について」のコラムをご覧いただけると幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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