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2023年02月02日企業内転勤企業内転勤ビザとは

企業内転勤ビザについて

(2024年8月 更新)

企業内転勤ビザとは企業活動の国際的展開に対応し、人事異動によって外国にある事業所から日本国内にある事業所に転勤する外国人の方のために設けられたビザになります。

今回はそんな企業内転勤ビザを取得するための要件について解説を行っていきます。

今後、海外の支社等から外国人の方を呼ぼうとする企業様は是非、参考にしていただければと思います。

企業内転勤ビザの要件について

企業内転勤ビザを取得するためにクリアしなくてはいけない要件は、大きく分けて6つあります。

① 外国にある本社、支社で技術・人文知識・国際業務ビザに該当する職種での勤続年数が1年以上であること

② 日本で働く職種が技術・人文知識・国際業務ビザに該当する職種であること

③ 同一企業内での転勤であること

④ 日本で働く期間が定められていること

⑤ 日本人と同等以上の給与であること

⑥ 会社の経営状態が安定していること

一つ一つ詳しく見ていきましょう。

① 外国にある本社、支社で技術・人文知識・国際業務ビザに該当する職種での勤続年数が1年以上であること

まずは外国にある本社、支社から日本に転勤する直前1年以上の期間技術・人文知識・国際業務ビザに該当する職種で働いていることが必要です。

技術・人文知識・国際業務ビザに該当する職種は、いわゆるホワイトカラーの職種となり、システムエンジニア、プログラマー、経理、コンサルタント、翻訳、語学講師などになります。

そのため仮に海外の本社、支社での勤続年数が直近1年以上であっても工場の生産ラインでの勤務などを行っていた場合には、この要件を満たさないことになります。

この職種の該当性については、外国の本社、支社で働いていた技術・人文知識・国際業務ビザの職種と日本に転勤後に働くこととなる技術・人文知識・国際業務ビザの職種の関連性までは求められず、技術・人文知識・国際業務ビザの職種の範囲内でさえあれば問題ありません。

② 日本で働く職種が技術・人文知識・国際業務ビザに該当する職種であること

先ほどの①外国にある本社、支社で技術・人文知識・国際業務ビザに該当する職種での勤続年数が1年以上であることで解説した内容と同じようなものになってしまいますが、海外から転勤してきて日本で働く場合の職種が技術・人文知識・国際業務ビザで認められている職種の範囲内であることが必要です。

技術・人文知識・国際業務ビザはいわゆるホワイトカラーの職種になります。

例を挙げるとシステムエンジニア、プログラマー、経理、コンサルタント、翻訳、語学講師などになります。

くれぐれも工場の生産ラインやコンビニエンスストアの店員さんなどでは企業内転勤ビザは取得できませんので、ご注意ください。

③ 同一企業内での転勤であること

企業内転勤ビザの転勤には系列企業内での出向なども含まれており、4つのパターンに分かれてきます

本社と支社の間の異動

本社から支社への異動はもちろん、その逆の支社から本社への異動も企業内転勤ビザの対象です。

親会社と子会社間の異動

親会社とは、他の会社の財務や営業又は事業に関する方針を決定する機関を支配している会社のことを言い、反対に支配されている会社が子会社という事になります。

さらに子会社が親会社と同じように他の会社を支配している場合、その支配されている会社は孫会社という扱いになります。

下記のように、その間での異動であれば企業内転勤ビザの対象となります。

子会社間などの異動

子会社間の異動については、近年企業の分社化が進んでいる状況を考慮し、親会社と一体性を有するものとして企業内転勤ビザの対象とされています。

孫会社間の異動及び子会社と孫会社間の異動についても孫会社が子会社とみなされていることから、企業内転勤ビザの対象となります。

曾孫会社間の異動は原則として認められていませんが、例外的に親会社が曾孫会社までの出資を100%行っている場合は企業内転勤ビザの対象となります。

関連会社への異動

関連会社とは会社が出資、人事、資金、技術取引等の関係を通じて子会社以外の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に関して重要な影響を与えることができる場合における当該子会社以外の他の会社等のことを言います。

関連会社への異動は企業内転勤ビザの対象となりますが、関連会社間の異動は企業内転勤ビザの対象となりませんので注意をしましょう。

以上が企業内転勤ビザで転勤ができる4つのパターンになります。

特に最後に解説をした関連会社への異動については出資が単独で20%以上必要となり、15%以上20%未満となると出資関係以外のものも考慮されることになりますので判断が難しいものであるという事も覚えておくとよいでしょう。

④ 日本で働く期間が定められていること

出入国在留管理庁のHPにも『本邦に本店、支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行う入管法別表第一の二の表の技術・人文知識・国際業務の項に掲げる活動』と記載されている通り、企業内転勤ビザではあらかじめ在留する期間を定めておかなくてはいけません。

企業内転勤ビザの在留期間は5年、3年、1年または3ヶ月とされているのですが、仮に会社側で外国人の方の滞在期間を5年と予定している場合に申請書に5年の希望と記載しても必ずその期間で許可が下りるわけではありません。

仮に在留期間が1年と決定された場合はその在留期限を迎えるたびに更新をしていく必要があります。

仕事の都合上、当初予定していた滞在期間よりも長い期間、日本に滞在する必要が出てきた場合には合理的な理由があればさらに在留期間を更新することも可能です。

⑤ 日本人と同等以上の給与であること

外国人の方だからという理由によって不当な差別はしてはいけません。

同じ内容の仕事をしているのであれば、日本人と同じかそれ以上の給与を支払うようにしましょう。

なお、企業内転勤ビザでは給与の支払主体が外国の会社なのか、日本にある会社なのかまではあまり重要視されませんので、どちらが給与の支払主体でも問題ありません。

場合によっては基本給は外国にある会社が支払い、日本の会社が物価の高騰などを鑑みて食費や家賃などを一定の割合で負担するというのも問題ありません。

⑥ 会社の経営状態が安定していること

外国人の方を雇用するにあたって会社の経営状態が安定していることが必要になります。

出入国在留管理局は主に決算書を見て会社の経営状態を判断していくことになりますが、仮に赤字になっていたからといって必ず不許可になるというわけでもありません。

現在は赤字であっても今後、黒字化するための具体的な方針などを事業計画書にしっかり記して申請書に添付することにより、この要件をクリアできる可能性があります。

新設会社は決算書がありませんので、この場合も事業計画書を作成し申請書に添付することになります。

また、企業内転勤ビザは日本の事業所の経営状態のみならず外国の事業所の経営状態の安定性まで求められますので、その点には注意が必要です。


まとめ

今回は、企業内転勤ビザの要件について解説を行っていきました。

一つ一つの要件をしっかり理解し、それをクリアして自社の発展に繋げていただければと思います。

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