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2023年02月05日企業内転勤企業内転勤ビザの転職について

企業内転勤ビザでの転職

(2024年8月 更新)

企業内転勤ビザの転職について今回は解説を行っていきます。

まずは企業内転勤ビザの転職の解説の前に企業内転勤ビザがどのようなものだったかについて触れておくと、企業内転勤ビザは同一の企業内での転勤(外国の本社から日本の支社への異動など)をするためのビザになります。

そのため他の会社への転職をすることは想定されていません。

ですが、日本で働いているうちに当初予定していないような不測の事態に陥ってしまうこともありますので、企業内転勤ビザでも一定の条件によっては他の会社に転職することが可能となっています。

※ 企業内転勤ビザについてはこちら

企業内転勤ビザでの転職の方法

先ほども述べた通り、企業内転勤ビザは同一の企業内での転勤(外国の本社から日本の支社への異動など)をするためのビザになりますから同じ企業内転勤ビザのままでは転職することはできません。

そのためビザの変更をすることにより転職をすることが可能となります。

変更先のビザとしては企業内転勤ビザで日本に在留している外国人の方は技術・人文知識・国際業務ビザの対象となる職種に就いているはずなので、転職する場合には技術・人文知識・国際業務ビザに変更することがほとんどです。

既に転職しようとしている会社がある場合には、あらかじめその会社が技術・人文知識・国際業務ビザで働くことができる職種なのかをしっかりリサーチするようにしましょう。

加えて技術・人文知識・国際業務ビザを取得するためには、ご自身の経歴(学歴or実務経験)が影響してきますので、ご自身の経歴が技術・人文知識・国際業務ビザが求める要件を満たしているかを確認したうえで応募するようにしましょう。


技術・人文知識・国際業務ビザ取得の要件

次に企業内転勤ビザで転職する場合に最も多い技術・人文知識・国際業務ビザに変更するための要件について解説を行っていきます。

① 職種と大学等の専攻との関連性

② 申請人である外国人の方の経歴

③ 会社の経営状態

④ 会社と申請人である外国人の方との間で雇用契約が締結されていること

⑤ 日本人と同等以上の報酬であること

⑥ 本人の素行

大きく分けるとこの6つの要件を満たさなくては、技術・人文知識・国際業務ビザに変更することはできません。

それでは、それぞれの要件について詳しく見ていきましょう。

① 職種と大学等の専攻との関連性

技術・人文知識・国際業務ビザで働くことができる職種は専門性を求められるものになります。

そのため大学(専門学校)を卒業しさえすれば「システムエンジニア」「金融関係」「通訳」などのどの職種でも働くことができるというわけではなく、大学(専門学校)で専攻してきた内容と仕事の関連性がしっかりあるかどうかを考えなくてはいけません。

その関連性があるかどうかは大学(専門学校)の成績証明書などを使って確認をしていくのですが、専門学校を卒業している外国人の方のほうが大学を卒業している外国人の方に比べて専攻してきた内容と職種の関連性の判断が比較的、厳しく行われているような印象があります。

多くの場合は専攻してきた内容と働こうとする職種の関連性があるかどうかの判断はつきやすいと思いますが、もし判断がつきにくい場合は出入国在留管理局に問い合わせるようにしましょう。

② 申請人である外国人の方の経歴

これは先ほど述べた『職種と大学等の専攻との関連性』と重なるところが多いのですが、技術・人文知識・国際業務ビザを取得するためには申請人である外国人の方の経歴が重要になってきます。

この経歴は申請人である外国人の方の「学歴」か「実務経験」のどちらかで満たすことになりますが、多くの方は「学歴」でこの要件をクリアしています。

学歴要件

大学卒業またはそれと同等以上

まずは大学卒業についてですが、この範囲としては大学の他にも大学院、短大、高専の卒業で学歴の要件を満たすとされています。

ここでのポイントは上記で挙げた学校の卒業は、日本の学校だけではなく母国など海外での学校の卒業も対象として扱われるということです。

特に企業内転勤ビザで技術・人文知識・国際業務ビザへの変更をする方は日本の学校を卒業していない方がほとんどですから覚えておいた方がよいと思います。

専門学校の卒業

大学など以外にも専門学校を卒業していれば学歴での要件を満たすことができます。

この専門学校の卒業で学歴での要件を満たそうとする場合に注意しなくてはいけない点があります。

それは海外の専門学校の卒業は対象とされていないということです。

これは大学等の卒業と違うところですから、くれぐれも間違わないようにしましょう。

また、一つの選択肢としてのお話になりますが『職種と大学等の専攻との関連性』の解説でもお話をした通り、専門学校卒業の場合は大学卒業よりも専攻した内容と職種の関連性の判断を厳しく見られる傾向があります。

そのため仮に大学と専門学校の両方を卒業している方は大学の専攻に合わせて就職先を探すというのも方法の一つとなります。

実務経験

学歴の要件で大学、専門学校等の卒業が必要と解説しましたが、仮に高校卒業の方であったとしても技術・人文知識・国際業務ビザを取得することは可能です。

その場合は実務経験で要件を満たすことになるのですが「3年以上、または10年以上の実務経験があることが求められます。

この実務経験はあくまで技術・人文知識・国際業務ビザで働こうとしている職種のものになりますので肉体労働や単純作業などでの実務経験は含まれておりませんので注意をしましょう。

そして実務経験の期間の考え方としては実際に働いている期間だけではなく大学や専門学校、高校等でその職種に関連する科目を専攻していた場合は、その期間も実務経験にカウントすることができます。

原則として10年以上の実務経験が求められるのですが、「外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務(翻訳・通訳・語学の指導・広報・宣伝又は海外取引業務若しくは室内装飾に係るデザイン・商品開発)の場合は3年の実務経験で要件を満たすとされています。

③ 会社の経営状態

こちらは雇用しようとしている会社側の要件になるのですが、外国人の方を雇用するにあたって会社の経営状態が安定していることが必要となってきます。

出入国在留管理局は主に決算書を見て会社の経営状態を判断していきます。

仮に赤字であっても必ず不許可になるわけではありませんので諦めないようしましょう。

しかし赤字の場合は「この会社は雇用した外国人の方にちゃんと給与を支払っていけるのだろうか」と思われてしまいますので、事業計画書を作成して現在は赤字でも今後、黒字化するための具体的な方針などをしっかり示すことにより、この要件をクリアすることは可能です。

新設会社の場合は決算書がありませんので、この場合も事業計画書を作成することが必要になってきます。

④ 会社と外国人の方との間に雇用契約が締結されていること

たまに誤解してしまっている方がいらっしゃるのですが、各就労系のビザは会社と外国人の方との間でしっかりと雇用契約が締結されていなければ取得することはできません。

「 就労ビザを取得してから雇用契約を締結しよう」ということはできないので注意をしましょう。

この雇用契約が締結されているかどうかは雇用契約書によって判断されることになります。

雇用契約よりは若干、難易度は高くなりますが請負契約や派遣での契約でも要件を満たすことは可能です。

⑤ 日本人と同等以上の報酬

外国人だから日本人よりも給与を低く設定するような不当な差別はいけません。

同じ内容の仕事をしているのであれば、日本人と同じかそれ以上の給与を支払うようにしましょう。

新卒での雇用の場合は比較的簡単に日本人と同等の給与の設定ができるかと思いますが、中途採用の場合はその人の経歴や資格などによって給与が変わるので設定が難しいかもしれません。

もし自社に賃金体系が決まっていない場合は同業他社の賃金体系を参考にしてみるのも良いでしょう。

⑥ 本人の素行

申請人である外国人の方の素行が善良であることが必要なのです。

普通に日常生活を送っている限り逮捕されるようなこともそうありませんので、こちらの要件はあまり問題にはならないと思います。

ただし、資格外活動許可を受けている場合には注意が必要です。

この資格外活動許可を受ければ就労系のビザでなくても原則週28時間まで勤務可能なのですが、たまにその時間をオーバーして働いてしまっている方を見かけます。

そうなると技術・人文知識・国際業務ビザの取得は難しくなり、せっかく採用しても働けないということにもなりかねません。

そのようなことを防ぐためにも外国人の方が自分で決められた就労時間を守ることはもちろんですが、会社の面接担当の方もしっかりとヒアリングすることを忘れないようにしましょう。

※技術・人文知識・国際業務ビザの必要書類についてはこちら


まとめ

以上が企業内転勤ビザで転職する場合に必要な知識などになりますが、いかがでしたでしょうか。

もし企業内転勤ビザをお持ちの方が転職をする際に何も考えずに行ってしまうと、ビザの更新の際に不法就労が発覚してしまい外国人の方本人はもちろん、雇っていた企業にも多大な影響を与えることになりますから、要件を満たしているかなど慎重な判断をするようにしましょう。

※ 企業内転勤ビザの料金はこちら

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