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特定技能ビザで外国人の方を雇おうと思った場合、その外国人の方が日本での生活を安心して行えるように支援をする必要があり、その計画書を作成しなければなりません。
原則として所属機関が支援を行うことになっていますが、人員不足などでどうしてもそれが難しい場合には登録支援機関にその一部または全部を委任することができます。
登録支援機関に委任する場合は全部を委任することにより、その時点で「支援機関適合みなし」ということになり支援計画に関する要件をクリアすることができますが、一部を委任しただけでは要件を満たしたことにはなりませんので全部を委任したほうが得策です。
そして支援には「義務的支援」と「任意的支援」の2種類があります。
義務的支援については出入国在留管理庁のHPに掲載されており、

上記の10種類となりますが、義務ということですからどれか一つでも欠ければ支援適合性はないものとされてしまいます。
なお、任意的支援の場合はあくまで任意なので作成しなくても良いのですが、支援計画に書いた時点でそれは義務へと変わってしまうので必ず行わなくてはいけなくなります。
実務的に考えると、支援計画に書いていない支援を任意で行うのは問題ありませんので支援計画の作成はできるだけミニマムにすることをオススメいたします。
間違えやすい点として支援計画は企業ごとに作るのではなく、外国人の方ごとに作成することが必要となる点に注意しましょう。
仮にシフト制の職場でAさんは早番、Bさんは遅番だった場合に同じ時間帯に支援を受けることが難しくなりますので個人ごとでの作成になります。
※ 特定技能ビザについてはこちら。
目次
事前ガイダンスの内容は全部で9つあり、
1. 従事する業務の内容、報酬の額その他の労働条件に関する事項
2. 日本において行うことができる活動の内容
3. 入国にあたっての手続に関する事項
4. 特定技能雇用契約に基づく活動に関連して、保証金、違約金など不当に金銭その他の財産を管理されるような契約を締結しておらず、かつ、締結されないこと
5. 特定技能1号活動の準備に関して自国等の機関に費用を支払っている場合は、その額及び内訳を十分理解して、当該機関との間で合意していること
6. 支援に要する費用について、直接または間接に負担させないこととしていること
7. 入国の際に港又は飛行場において送迎があること
8. 適切な住居の確保に係る支援があること
9. 職業生活、日常生活又は社会生活に関する相談又は苦情の申し出を受ける体制があること
を行うこととされています。
入国時と帰国時に空港等まで送迎が必要になりますが、これは特定技能ビザで初めて入国した時と特定技能ビザの期間が終了して帰国する際のお話になりますので、例えば有給休暇を取得した際の一時帰国の時までは必要とされていません。
この送迎はマイカーで行う場合、道路運送車両法に抵触してしまう可能性がありますので、タクシーやバス、電車等の交通公共機関で実施することが望ましいですが、自社で支援を行っている場合であれば社用車を使用しての送迎は問題ありません。
送迎の費用に関しては所属機関が支払う事とし、くれぐれも外国人の方に負担させないようにしましょう。
これは保証人などになる支援ですが、適当な保証人がいない場合は賃貸保証会社の利用も可能です。
その場合の手数料は所属機関が負担することになります。
もし外国人の方が家賃を滞納してしまい、それを所属機関側で立て替えた場合はその費用を外国人の方に請求することは問題ありません。
技能実習から特定技能ビザへ移行する場合には、部屋の広さにも注意をしましょう。
技能実習よりも特定技能ビザの方が居住スペースを広く確保することが求められていますので、場合によっては特定技能ビザで、求められている広さを確保できずに引っ越しが必要になる場合もあります。
外国人の方が安心して日本での生活を送ってもらうために、早い段階で行うことが必要です。
内容は日本で生活を行っていくにあたり、一般的に必要とされるもので
・金融機関の利用方法
・医療機関の利用方法
・交通ルール
・交通機関の利用方法
・生活ルールやマナー
・住所の届出
・年金、税金に関する手続き
などとされています。 なお、このオリエンテーションは言語対応が求められており、実施時間は8時間以上行うことが必要とされ、リモートでの対応も可能となっております。
これはそのままになりますが、役場などで何かしらの手続が必要な場合の同行と場合によっては書類作成の補助まで支援するようになります。
特定技能ビザの外国人の方は一定の日本語能力を有していますが、更なる日本語能力の向上によって仕事での円滑なコミュニケーションを図ることができるようになれば、会社にとってもプラスとなることが多くありますので、このような支援が設けられております。
ただし、必ずしも教育機関などに通わせなくてはいけないというものではなく、教育機関の紹介や日本語学習教材の情報提供などでも問題ありませんし、費用も外国人の方に負担してもらって問題ありません。
こちらは言語対応が必要になり、対面で行うことになります。
目安としては平日は勤務日で週3日以上、休日は週1日以上は対応できるように計画することが必要になります。
時間についてはその方の勤務時間終了から2、3時間ほど間隔を空けてあげると外国人の方も利用しやすくなるのではないでしょうか。
外国人同士のコミュニティーというのは多く見かけますが、外国人の方が日本人と接する機会というのはそう多くないのかもしれません。
せっかく日本に来ているのですから、そのような機会を与えてあげましょう。
内容としては
・地方公共団体やボランティア団体等が主催する地域住民との交流の場に関する情報の提供や地域の自治体等の案内を行い、各行事等への参加の手続の補助を行うほか、必要に応じて同行して各行事の注意事項や実施方法を説明するなどの補助を行う
・ 日本文化を理解するために必要な情報として、就労又は生活する地域の行事に関する案内を行うほか、必要に応じて同行し現地で説明するなどの補助を行う
とされていますので、地域のお祭りやボランティア活動の紹介をして、参加の希望があれば申し込みの手伝いや場合によっては同行するという支援をすれば問題ありません。
これは外国人の方が原因で転職が必要になった場合ではなく、企業の側の問題 (人員整理等の場合など) で外国人の方が転職することが必要になった場合です。
外国人の方の新たな就労先が見つかるまで支援することになります。
内容としては
・ハローワークなどを案内して、場合によっては同行し次の就職先を探す
・推薦状を作成する
・求職活動を行うために有給休暇を取得させる
・離職時に必要な行政手続きの情報提供をする
などが挙げられます。
3ヶ月に一度以上の頻度で面談を実施することになります。
内容は生活オリエンテーションの再確認や就労、生活全般についての面談を行うことになり、外国人の方・外国人を管理する権限を有する方 (上司等。派遣の場合は派遣先の管理・監督者) ・登録支援機関の担当者で行うことになります。
労働基準法や入管法に反していることが発覚した場合は、当然ながら通報が必要となっています。
こちらは言語対応が必要で対面にて行うこととされていますが、現在は新型コロナウィルスの関係で例外的にリモートでも可能となっております。
今回は、特定技能ビザの支援計画について解説を行っていきました。
内容としては主に義務的支援についてでしたが、外国人の方の立場に立って考えてみると見ず知らずの土地で生活を送ることはとても不安を感じることだと思います。
ですから義務的支援以外にも自分だったらどういうサポートをしてもらったら嬉しいかなどを考えてみて、少しでも外国人の方の力になっていただければと思います。
※ 特定技能ビザの料金はこちら。
