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effortコラム

2023年02月10日特定技能特定技能と技能実習の比較

特定技能ビザと技能実習の違い

今回は特定技能ビザと技能実習の違いについて解説を行っていきます。

この2つは似ている部分も多く、曖昧な理解ですと大事な部分を見落としてしまう恐れもありますので、今回のコラムを通して2つの違いをしっかりと理解して自社に合った制度の活用を行っていただければ幸いです。

目的の違い

特定技能 : 人手不足が顕著な分野に一定の専門性・技能を有した即戦力となる外国人の方を受け入れることによる人手不足の解消

技能実習 : 日本の技術を開発発展途上国に移転することを目的とした国際貢献の制度

という違いになっております。

特定技能ビザは人手不足の解消を目的としているわけですから、外国人の方を労働力として雇うことが可能ですが、技能実習はあくまで国際貢献を目的としているので、労働力の手段としては認められておりません。

この2つの目的を比較してみると多くの企業が必要としているのは、特定技能ビザの外国人の方ではないでしょうか。


在留期間

特定技能 : 特定技能1号 → 最長5年特定技能2号 → 制限なし

技能実習 : 技能実習1号 → 1年以内技能実習2号 → 2年以内 技能実習3号 → 2年以内

となっております。

特定技能ビザでは1号から2号に進むことにより、在留期間の制限がなくなりますので、最終的には永住権まで取得も可能となっております。

この特定技能2号は現在、建設業と造船・舶用工業の2種類のみですが、2022年度から拡大されるとされています。

技能実習では、1号から3号までで最長5年になりますが、技能実習から特定技能1号に移行することにより技能実習の5年と特定技能1号の5年で最長で10年まで在留することが可能です。


技能水準・日本語能力水準

特定技能 : 技能水準・日本語能力水準を試験等で確認

(技能実習2号を良好に修了した者で移行職種に該当している場合は試験免除)

(技能実習2号を良好に修了した者は日本語能力の試験免除)

技能実習 : なし

特定技能ビザの技能水準試験は分野ごとに変わっております。

ただし技能実習2号を良好に修了し、特定技能ビザの移行職種に該当していれば技能試験は免除となりますが、移行職種に該当しなければ試験を受けることになります。

また、特定技能ビザの日本語能力については日本語能力試験N4以上 or 国際交流基金日本語基礎テストA2レベル以上となっております。

技能実習2号を修了しているということは少なからず3年以上は日本に在留しているはずなので、ある程度の日本語は使いこなせているだろう、ということから技能実習2号を良好に終了した者は日本語試験は免除されております。

技能実習については国際貢献という目的の観点からも技能水準と日本語能力水準は設けられておりません。


受け入れ可能な業種等

特定技能 : 12分野

技能実習 : 86職種 (158作業)

それぞれの目的から考えてみると特定技能ビザは人手不足が顕著な分野での労働力不足の解消を目的としておりますので、技能実習と比べると少なく感じるかもしれません。

技能実習は国際貢献を目的としておりますので、多くの分野での受け入れが可能となっております。


監理団体・支援機関

特定技能 : 監理団体 → なし ・ 支援機関 → あり

技能実習 : 監理団体 → あり ・ 支援機関 → なし

支援機関とは、外国人の方が在留中に安心して活動を行うことができるように仕事に関することだけではなく日常生活でもサポートをする機関のことを言います。

受入れる企業で支援機関を行うことが難しい場合には、外部の登録支援機関に全部もしくは一部を委託することができます。

監理団体とは、技能実習生を受け入れようとしている企業からの依頼に基づき、海外で技能実習生の募集から面接、入国手続き等を含めた技能実習生と受け入れ機関をサポートする非営利団体のことをいいます。


受け入れ可能人数

特定技能 : 制限なし (介護分野、建設分野を除く)

技能実習 : 常勤職員の数に応じた制限あり

特定技能ビザの場合は冒頭でも触れた通り、人手不足の解消を目的としており、即戦力となる外国人の方を雇用することが目的ですので受入れの制限は設けられていません。

ただし介護の分野では事業単位で日本人等の常勤介護職員の総数を上限とされています。この日本人等の常勤介護職員の総数には『EPA介護福祉の外国人の方』『介護ビザ』『身分系のビザ (永住者、日本人の配偶者など)』をお持ちの外国人の方が含まれています。

そして建設分野では受け入れ企業の常勤職員の人数までとなっており、この常勤職員の人数には技能実習生や特定技能1号の外国人の方などは含まれておりません。

技能実習の場合は日本の技術を開発発展途上国に移転することを目的とした国際貢献になりますので、しっかりと指導できる数の受け入れでなくてはなりません。


転職

特定技能 : 可 (条件有)

技能実習 : 原則不可

特定技能ビザの場合は同一の業務区分であれば転職が可能です。

別の業種になると原則として転職はできませんが、特定技能ビザの技能試験に合格して要件を満たせば転職は可能です。

一方、技能実習は原則として認められませんが、実習先の倒産ややむを得ない場合、2号から3号への移行時は転職可能となっております。


家族帯同

特定技能 : 1号 = 不可 ・ 2号 = 可

技能実習 : 不可

特定技能2号になると配偶者と子に限り家族帯同が認められますが、特定技能1と技能実習では認められておりません。

例外として留学生の方が特定技能1号へビザの変更をする場合に留学ビザの段階で家族を日本に呼び家族滞在ビザを取得していた場合は特定技能1号への変更後も家族の帯同が認められることになっています。


まとめ

今回は特定技能ビザと技能実習の比較をしていきましたが、どちらにするか迷ったときはまずはそれぞれの目的を確認していただき、その後に細かい比較をして自社にとってはどちらが適切かを考えるようにしましょう。

もし不明点などがあればお気軽にご連絡を頂ければと思います。

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