Column
Column
現在、日本では他に類を見ないほど高齢化が進んでおり、それに伴って労働人口も減少し、深刻な人手不足に陥っている状況です。
現在も多くの外国人の方が日本で働いていらっしゃいますが、働くことができる職種の範囲が決められており、コンビニエンスストアや工場の生産ラインなどの職種では働くことが難しいのが問題でした。
そう聞くと近くのコンビニエンスストアで外国人の方が働いているのを見たことがある、などと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
多くの場合は留学ビザや家族滞在ビザをお持ちの方が資格外活動許可を受けて原則週28時間までで働いていたり、永住者などの就労制限のない方が働いているのがほとんどです。
また、技能実習では建設業や製造業などのブルーカラーに属する職種でも多く受け入れられてきましたが、技能実習の目的はあくまで「人材育成を通じて開発途上国へ技能等を移転し、その国の経済発展を促す国際協力」となっておりますので就労を目的としていないうえ、行える作業の範囲や在留できる年数など多くの制約の中でしか活用ができません。
それらを改善するために2019年に新設されたのが今回解説を行っていく特定技能ビザになります。
今回の解説の内容は特定技能ビザの大枠的な内容となっております。
特定技能ビザには特定技能1号と特定技能2号の2種類があります。
まず特定技能1号で働くことができる職種は、出入国在留管理庁のHPにも掲載されている通り12分野に限られております。
・介護
・ビルクリーニング
・素形材・産業機械・電気電子情報関連製造
・建設
・造船・舶用工業
・自動車整備
・航空
・宿泊
・農業
・漁業
・飲食料品製造業
・外食業
となっております。
もともと素形材・産業機械・電気電子情報関連製造はそれぞれ分かれていたのですが、現在は統合されて14分野から12分野に変わっております。
そしてもう一つの特定技能2号で働くことができる職種は、
・建設
・造船・舶用工業
・ビルクリーニング
・素形材、産業機械、電気電子情報関連製造業
・自動車整備
・航空
・宿泊
・農業
・漁業
・飲食料品製造業
・外食業
の介護分野を除く11分野が対象となっております。
介護分野においては、現行の専門的・技術的分野の介護ビザがあることから、特定技の2号の対象外となっております。
特定技能1号は特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人の方向けのビザとなり、特定技能2号は特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人の方向けのビザとなります。
特定技能1号では相当程度の知識又は経験を必要とする技能だったのに対して、特定技能2号では熟練した技能を求められることから、特定技能2号の方が難易度が高いのがわかります。
次に特定技能1号と特定技能2号のそれぞれのポイントを比較してみましょう。
特定技能1号 | 特定技能2号 | |
分野 | 12分野 | 11分野 |
在留期限 | 上限5年(1年、6ヶ月、4ヶ月ごとの更新) | 上限なし(3年、1年、6ヶ月ごとの更新) |
技能水準 | 試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人の方は免除) | 試験等で確認 |
日本語レベル | 生活や業務に必要な日本語能力 (試験あり) | 生活や業務に必要な日本語能力 (試験なし) |
家族帯同 | 基本的には認められない | 要件を満たせば可 (配偶者、子) |
受入れ機関、登録支援機関の支援 | 対象 | 対象外 |
このようなそれぞれの違いがあります。
なお、特技能1号と特定技能2号で共通している内容としては
・年齢が18歳以上
・学歴要件がない
という点が挙げられます。
外国人の方を海外から呼び寄せる場合と既に日本に在留中の外国人の方を雇用するかによってその流れが変わってきます。
他の就労ビザと比べると手続きが多くなりますので、申請をお考えになる場合はしっかりと流れを把握するようにしましょう。
なお、特定技能2号は詳しい内容が公表されておりません。
今回は特定技能ビザの大枠的な内容を解説していきましたが、ご理解いただけたでしょうか。
今後、外国人の方を特定技能ビザで雇用しようとお考えの企業様の参考となれば幸いです。
※ 特定技能ビザの料金はこちら。
※ 特定技能ビザの要件 ( 申請人 ) についてはこちら。
※ 特定技能ビザの要件 ( 所属機関 ) についてはこちら。
※ 特定技能ビザの要件 ( 雇用契約 ) についてはこちら。
※ 特定技能ビザの支援計画についてはこちら。
※ 特定技能ビザでのアルバイト雇用についてはこちら。
※ 特定技能ビザでの脱退一時金についてはこちら。
※ 特定技能1号で5年働いた後についてはこちら。