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今回は技能実習制度で監理団体の許可を得ようとした際に設置を求められている指定外部役員と外部監査人のうち、外部監査人について解説を行っていきます。
今後、技能実習制度は育成就労制度へと変わりますが、育成就労制度では監理団体に外部監査人の設置が求められてます。
育成就労での外部監査人と現制度の外部監査人が同じものなのかについては2024年6月時点ではまだ不明ですが、今の段階から外部監査人を設置して体制を整え始めるのは良いことかもしてませんね。
今回は外部監査に関しての入り口的な位置づけで解説を行っていきますので、参考にしていただけると幸いです。
※ 技能実習についてはこちら
技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を実現するためには監理団体が実習実施者に対して適切な指導・監督を行うことが必須ですが、実際には組合の一員である実習実施者に中立的な立場から指導・監督を行うことが難しいことがあるのも事実です。
そのため、外部監査人等の設置を法律上義務付けて外部からの視点を加えることにより、監理団体の中立的な業務運営を担保するためになります。
技能実習の運用要領を見てみますと、
・過去三年以内に外部監査人に対する講習として法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定めるものを終了した者であること
・次のいずれにも該当しない者であること
① 実習監理を行う対象の実習実施者又はその現役若しくは過去5年以内の役職員
② 過去5年以内に実習監理を行った実習実施者の現役又は過去5年以内の役職員
③ ①②の者の配偶者又は二親等以内の親族
④ 申請者(監理団体)の現役又は過去5年以内の役職員
⑤ 申請人(監理団体)の構成員(申請者が実習監理する団体監理型技能実習の職種に係る事業を営む構成員に限る。)又はその現役又は過去5年以内の役職員
⑥ 傘下以外の実習実施者又はその役職員
⑦ 他の監理団体の役職員
⑧ 申請者(監理団体)に取次ぎを行う外国の送出し機関の現役又は過去5年以内の役職員
⑨ 法人であって監理団体の許可の欠格事由(法第26条)に該当する者、個人であって監理団体の許可に係る役員関係の欠格事由(法第26条第5号)に該当する者
⑩ 過去に技能実習に関して不正等を行った者など、外部監査の公正が害される恐れがあると認められる者
とされています。
「外部監査人になるための要件はわかったけど、実際にどんな人に頼めばいいの?」
と思った方も多いのではないでしょうか。
どんな人に外部監査人を依頼した方が良いのかをお話する前に、実際に外部監査人が行う業務についても知っておく必要があります。
外部監査人の業務は、以下の2つになります。
監理団体の各事業所について監査等の業務の遂行状況を3カ月に1回以上確認し、その結果を記載した書類を作成し、監理団体へ提出すること |
監理団体が行う実習実施者への監査に、監理団体の各事業所につき1年に1回以上同行して確認し、その結果を記載した書類を作成し、監理団体へ提出すること |
ここで注意していただきたいのが『外部監査は監理団体を監査する』ということです。
以前、外部監査人が監理団体の行う実習実施機関への監査を行っていたというのを聞いたことがあるので、その点はくれぐれも間違わないようにしましょう。
監理団体の行っている監理内容を監査するわけですから、入管法や技能実習法、労働関係に専門的な知識を有しているような方に依頼するのが良いでしょう。
入管法や技能実習法に詳しい行政書士、それに弁護士の方や労働関係法令に詳しい社会保険労務士の方などが思い浮かびますが、外部監査の内容は入管法や技能実習法に関するものがメインとなります。
それを考えると行政書士や弁護士の方に依頼するのが良いでしょう。
effort行政書士事務所でも仙台市をはじめとして全国での外部監査人としてのご依頼に対応が可能ですので、ご相談などがあればお気軽にご連絡を頂ければと思います。
今回は技能実習の外部監査についての入り口的な位置づけで解説を行っていきました。
今回のコラムをご覧になった方の中には、「じゃあ、実際に外部監査って何を監査してんの?」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
という事で、次回は外部監査の内容について掘り下げて解説を行っていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
※ 技能実習の外部監査の内容についてはこちら