Column

effortコラム

2026年01月04日特定技能【特定技能】2026年1月施行「改正行政書士法」で何が変わる?受入企業が知っておくべき「委託先」の重大リスク

人任せにできない「コンプライアンス」の壁

特定技能外国人を雇用されている企業の皆様にとって、2026年1月は一つの大きな節目となります。
改正行政書士法の施行により、これまで「登録支援機関がやってくれているから安心」と思っていた手続きが、実は「違法な代行」とみなされるリスクが浮上しているからです。

もし委託先が法令違反で処分を受ければ、御社の外国人雇用そのものがストップしてしまう事態になりかねません。

今回のコラムでは、そのような事にならないよう様々な注意点について解説してきます。


知らぬ間に「違法状態」?委託先のリスクが御社を直撃する理由

現在、多くの受入企業様が登録支援機関に事務手続きを委託されています。
しかし、その「当たり前」の運用が、法律の条文レベルで否定される可能性があります。

行政書士法第19条の改正:報酬の「名目」を問わず無資格作成が禁止に

今回の法改正(2026年1月施行)で最も重要なのは、行政書士法第19条に「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が追加されたことです。

行政書士法第19条
行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て業として第一条の三に規定する業務を行うことができない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、当該手続に関し相当の経験又は能力を有する者として総務省令で定める者が電磁的記録を作成する場合は、この限りでない。

これまでは「支援委託費に含まれているサービスだから無料です」という理屈で、無資格の支援機関スタッフが書類を作成しているケースもありました。
しかし、今後は以下のような名目でお金が動いていれば、資格のない者が書類を作ることは一発でアウト(違法)となります。

  • 「支援委託費」の一部として処理
  • 「コンサルティング料」や「事務手数料」
  • 「入会金」や「会費」

どのような呼び方であっても、お金をもらって書類を代行すれば、それは行政書士法違反です。

「無料サービス」なら法律違反にならないのか?

「書類作成費用は一切いただかず、完全無料で代行します」という説明を受けている場合も、注意が必要です。
実務上、この「無料」という主張が通るケースは極めて限定的だからです。

  • 「支援委託費」との不可分性
    月々の支援委託費(報酬)を支払っている以上、その一環として行われる書類作成は「実質的に対価が含まれている」とみなされます。
    見積書に「0円」と書けば済むという単純な話ではありません。
  • 「業として」行うことの禁止
    行政書士法では、反復継続して(仕事として)書類を作ることを禁じています。
    複数の受入企業に対し、支援業務の流れで繰り返し書類を作成していれば、個別の代金を受け取っていなくとも「業として」に該当し、法律違反の対象となります。

法人を直撃する「両罰規定(第23条の3)」の新設

今回の改正で、もう一つ絶対に見逃せないのが、法人に対する罰則である「両罰規定(行政書士法 第23条の3)」の新設です。

これまでは、無資格で書類を作成した「担当者個人」が罰せられるケースが主でした。
しかし、これからは「実際に作成したスタッフ」だけでなく、その雇い主である「法人(登録支援機関)」に対しても、100万円以下の罰金刑が科されるようになります。

「登録支援機関の不祥事だから、うちは関係ない」という大間違い

ここで、「罰金を払うのは支援機関だし、うちは関係ないだろう」と思われるかもしれません。
しかし、それは大きな間違いです。
支援機関が罰金刑を受けることは、御社にとって以下のような「致命的な経営リスク」に直結します。

  • 御社の「支援体制」が突然失われるリスク
    行政書士法違反で罰金刑以上が確定した登録支援機関は、入管法上の欠格事由に該当し、登録を取り消される可能性が極めて高いです。
    その日から、その機関は御社の支援業務を継続できなくなります。
  • 「5年間の空白」がもたらす事務負担の増大
    登録を取り消された支援機関は、原則として5年間は再登録ができません。
    つまり、御社は長年築いてきたパートナーシップを失い、急いで別の支援機関を探す、あるいは自社で全支援業務を担うといった、予期せぬ大きな対応コストを強いられることになります。
  • 現場の混乱と雇用への影響
    新しい委託先が決まるまでの間、事務手続きに空白が生まれると、在留期限の管理ミスや更新手続きの遅延といったリスクが生じます。
    大切な外国人材が安心して働き続けられる環境を守るためにも、委託先が健全な運営(コンプライアンス遵守)を行っているかは、御社にとって非常に重要なチェックポイントなのです。

社長が「委託先」に確認すべき3つのポイント

委託先の法違反による「とばっちり」を防ぎ、安心して外国人を雇用し続けるために、今すぐ以下の3点を確認することをお勧めします。

申請書類・データの「作成者」を確認する

入管への手続きは、現在「窓口」と「オンライン」が混在していますが、どちらの場合も「誰が作成者として責任を持っているか」が重要です。
御社の手続きが以下のようになっているか、一度確認してみてください。

  • 紙による申請の場合
    提出書類(申請書)の末尾にある「申請代理人」や「作成者」の欄を見てください。
    そこに行政書士の記名と職印(職印)がありますか? 支援機関のスタッフが作成し、社印だけが押されている、あるいは作成者欄が空欄のまま御社の判子だけを求めてくるような場合は、2026年以降「無資格作成」のリスクが高まります。
  • オンライン申請の場合
    「オンラインだから印鑑はいらない」と言われても、中身は同じです。
    行政書士が自身の専用アカウントから正当に申請しているか、それとも御社のアカウント(ID・パスワード)を借りて、支援機関のスタッフがこっそり代行入力していないかを確認してください。

契約書や請求書に「書類作成費」の項目がないか確認する

登録支援機関との契約書を確認し、支援委託費の中に「申請代行費用」や「書類作成手数料」が含まれていないかチェックしてください。
改正法では、名目を問わず報酬を得ることが禁止されます。
今後は、「支援業務」と「行政書士業務」が明確に切り分けられ、それぞれの専門家へ正当な報酬が支払われる契約形態になっているかが、企業の安全性を左右します。

「2026年1月の法改正」への対応方針を聞く

委託先の担当者に「行政書士法が改正されますが、2026年からの体制はどうなりますか?」と直接聞いてみてください。
「今まで通りです」という回答や、改正自体を知らない場合は注意が必要です。
逆に「弊社は提携行政書士と連携し、法改正に合わせた新体制へ移行します」という明確な回答があれば、コンプライアンス意識の高い、信頼できるパートナーであると言えます。


まとめ

2026年1月の法改正は、単なる事務手続きの変更ではありません。外国人材が安心して日本で働き、御社が安定して事業を継続するための「ルールの厳格化」です。

「うちは大丈夫だろう」という思い込みが、将来的に大きな足かせとなってしまうかもしれません。
まずは、現在の運用状況に法的リスクがないか、一度「法務の健康診断」を受けてみませんか?

仙台就労ビザネットでは、受入企業様の視点に立ち、現在の支援体制が「改正行政書士法」に適合しているかのリーガルチェックを承っております。

  • 委託先とのトラブルを未然に防ぎたい
  • 2026年以降も安心して雇用を継続したい

そんな経営者の皆様の良きパートナーとして、全力でサポートいたします。
まずは現状のご不安を、お気軽にお聞かせください。

まずはお気軽にご連絡ください。