Column

effortコラム

2023年02月20日高度専門職高度専門職ビザとは

高度専門職ビザについて

今回は高度専門職ビザについての解説を行っていきますが、あまり聞きなれないビザかもしれません。

この高度専門職ビザというのは、外国人の方の活動を「高度学術研究活動」「高度専門・技術活動」「高度経営・管理活動」の3つに分けて「学歴」「職歴」「年収」などの項目ごとにポイント制を設けてそのポイントの合計数が70点以上に達した場合に、各種の優遇措置を与えてもらうことができる制度となっております。

これにより優秀な外国人の方の受け入れの促進を図ろうとするものになります。

高度専門職1号について

これまで高度人材告示に基づき特定活動ビザの一種とされていたものが、平成26年の法改正により新たに高度専門職 ( 1号イロハ ) として誕生したものとなります。

高度専門職 ( 1号イ )

高度専門職 ( 1号イ ) ビザは、相当程度の研究実績がある研究者、科学者、大学教授等が研究・教授活動に従事する場合に付与することを想定しているビザとなります。

主な活動としては特定の日本の公私の機関との契約に基づいて行う研究や研究の指導または教育をする活動ですが、教授ビザや教育ビザと異なり民間企業の社内研修等で教育を行うことも含まれます。

高度専門職 ( 1号ロ )

高度専門職 ( 1号ロ ) ビザは、医師、弁護士、情報通信分野等の高度な専門資格を有する技術者等が専門的な就労活動に従事する場合に付与することを想定しているビザとなります。

主な活動としては特定の日本の公私の機関との契約に基づいて行う自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動 ( 高度専門・技術活動 )です。

高度専門職 ( 1号ロ ) ビザの主な活動は、一見すると技術・人文知識・国際業務ビザの活動範囲と似ていますが、技術・人文知識・国際業務ビザの「 外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動 」は高度専門職 ( 1号ロ ) ビザの主な活動に該当していませんが、技術・人文知識・国際業務ビザの活動範囲から除かれている教授、芸術、報道、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、企業内転勤、介護、興行ビザの活動は高度専門職 ( 1号ロ ) ビザの主な活動にあたるとされており、幅広い活動が可能となっております。

高度専門職 ( 1号ハ )

高度専門職 ( 1号ハ ) ビザは、相当規模の企業の経営者、管理者等の上級幹部が当該企業の経営・管理の活動に従事する場合に付与することを想定しているビザとなります。

高度専門職 ( 1号ハ ) ビザの主な活動は、特定の日本の公私の機関において事業の経営を行い又は管理に従事する活動 ( 高度経営・管理活動 ) です。

この活動には営利を目的としない機関の経営・管理に携わることや経営・管理ビザとは異なり、個人事業主として外国法事務弁護士事務所を経営・管理する活動も対象となっております。


高度専門職2号について

高度専門職2号ビザは、高度専門職1号よりも活動の幅が大幅に広げられたもので、高度専門職1号からのビザ変更でのみ取得が可能となっているものです。

その要件は以下の①~⑥で

① 申請人が行おうとする活動が、高度専門職2号の活動に該当すること

② 高度専門職のポイント合計が70点以上であること及び高度専門職 ( 1号ロハ ) ビザで在留していた者については報酬年額が合計300万円以上であること

③ 高度専門職 ( 1号イロハ ) ビザ又は高度人材外国人としての特定活動ビザで3年以上在留して活動を行っていたこと

④ 素行が善良であること

⑤ 当該外国人の在留が日本の利益となること

⑥ 申請人が日本で行おうとする活動が日本の産業及び国民生活に与える影響等の観点から相当でないと認める場合でないこと

これに該当することが必要です。

高度専門職2号ビザは、永住ビザと同じく在留期限が無制限となりますが、永住ビザと違い一定の活動制限がある点や在留資格該当性がある活動を継続して6カ月以上行わずに在留するとビザの取り消し事由に該当する点、所属機関に関する届け出義務がある点が異なっています。

また、高度専門職ビザであれば一定の条件の下で親の帯同などが認められておりますが、永住ビザの場合はそれが認められておりませんので、ご自身のライフスタイルに合わせた選択が必要となります。


高度専門職ビザのポイント評価

冒頭でも高度専門職はポイント制によって、ということをお伝えしましたが、それについて解説を行っていきます。

このように各分野ごとに「 学歴 」「 職歴 」「 年収 」「 年齢 」「 ボーナス①~⑭ 」にそれぞれ該当することによりポイントが加算されていき、70点以上で高度専門職ビザの取得が可能です。

「日本の大学を卒業 ( 修士号を取得 ) し 、職歴は3年で年収は700万円、N1所持の31歳の外国人の方」のパターンですと

学歴 = 20点

職歴 = 5点

年収 = 25点

N1  = 15点

日本の大学卒業 = 10点

となり合計点が75点となり高度専門職ビザの取得が可能です。

ポイント計算におけるボーナスポイントに関する資料は下記の出入国在留管理庁のHPに記載がありますのでこちらをご覧いただければと思います。

申請の際には、上記の出入国在留管理庁のHPにExcelファイルでポイント計算参考書式というものがありますので、そちらにチェックを入れていきます。

高度専門職1号ビザのイ、ロ、ハそれぞれで使用するシートが異なりますので注意をしましょう。


高度専門職1号の優遇措置

先ほど「 各種の優遇措置を与えてもらうことができる 」ということをお伝えしましたが、その内容について触れていきたいと思います。

優遇措置は7つあります

① 複合的な在留活動の許容

② 在留期間5年の付与

③ 在留歴に係る永住許可要件の緩和

④ 配偶者の就労

⑤ 一定の条件下での親の帯同の許容

⑥ 一定の条件下での家事使用人の帯同の許容

⑦ 入国・在留手続の優遇処理

となっております。

複合的な在留活動の許容

通常、一つのビザで行える活動はそのビザで認められている活動範囲のものに限られていますが、高度専門職の場合は大学での研究活動と併せて関連する事業を経営する活動を行うなど複数のビザにまたがるようような活動を行うことができます。

ここでの注意点としては「関連する事業」となっていることです。

いくら複合的な在留活動が行えるといっても無制限にできるわけではありませんので、その点には十分に注意をしましょう。

在留期間5年の付与

高度専門職ビザの方には、法律上の最長の在留期間である5年が付与され、その後のこの期間は更新することができます。

多くのビザの場合は初めの在留期間は1年などの短い期間となり、ビザの更新を繰り返していって5年になるのが通常ですが、高度専門職となった時点で5年の在留期間となるのは大きなメリットですね。

在留歴に係る永住許可要件の緩和

永住許可を受けるためには、原則として引き続き10年以上日本に在留していることが必要ですが、高度専門職 「 70点以上 」の方は在留期間が3年で許可を受けることが可能となりますし、さらに高度専門職 「 80点以上 」 の方の場合は在留期間1年で永住許可の対象となります。

※ 高度専門職の永住申請についてはこちら

※ 高度専門職の永住申請の必要書類についてはこちら

配偶者の就労

例えば就労系のビザをお持ちの外国人の方の配偶者が家族滞在ビザをもって在留している場合に、教育ビザや技術・人文知識・国際業務ビザなどに該当する活動を行おうとする場合 ( 資格外活動許可の制限なく ) は学歴や職歴などの一定の要件を満たしたうえでそれらのビザを取得することが必要となりますが、高度専門職ビザをお持ちの方の配偶者の場合は、特定活動ビザ ( 高度専門職外国人の就労する配偶者 ) にすることにより学歴や職歴などの要件を満たさなくても、一定の要件の下でそれらのビザの活動を行うことができます。

一定の条件下での親の帯同の許容

法律上、就労を目的とするビザで在留中の外国人の方の親の帯同は認められていないのですが、高度専門職ビザの場合は

① 高度専門職で在留する者又はその配偶者の7歳未満の子 ( 連れ子や養子を含む ) を養育する場合

② 高度専門職で在留する者の妊娠中の配偶者または妊娠中の高度専門職で在留する者本人の介助、家事その他の必要な支援を行う場合

については、一定の要件の下で高度専門職ビザの外国人の方またはその配偶者の方の親の入国・在留が認められます。

その際の要件は

1、高度専門職ビザで在留する者の世帯年収 ( 高度専門職ビザで在留する外国人の方本人とその配偶者の報酬の年額を合算したもの ) が800万円以上あること

2、高度専門職ビザの外国人の方と同居すること

3、高度専門職ビザの外国人の方またはその配偶者のどちらかの親に限ること

となります。

一定の条件下での家事使用人の帯同の許容

外国人の家事使用人の雇用は、経営・管理ビザや法律・会計業務ビザなどで在留する一部の外国人の方に対してのみ認められているのですが、高度専門職の場合は下記の主な要件を満たすことにより外国人の家事使用人を帯同することが可能となります。

パターンは「 入国帯同型 」「 家庭事情型 」「 金融人材型 」の3つがあります。

外国で雇用していた家事使用人を引き続き雇用する場合 ( 入国帯同型 )

1、高度専門職ビザで在留する外国人の方の世帯年収が1000万円以上

2、帯同できる家事使用人は1名まで

3、家事使用人が18歳以上

4、家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定している

5、高度専門職ビザの外国人の方と共に日本に入国する場合は、帯同する家事使用人が日本入国前に1年以上当該高度専門職ビザの外国人の方に雇用されていた者であること

6、高度専門職ビザの外国人の方が先に入国する場合は、帯同する家事使用人が日本に入国する前1年以上当該高度専門職ビザの外国人の方に雇用され、かつ、当該高度専門職ビザの外国人の方が入国後、引き続き当該高度専門職ビザの外国人の方または当該高度専門職ビザの外国人の方が日本に入国する前に同居していた親族に雇用されている者

7、高度専門職ビザの外国人の方が出国する場合は、共に出国することが予定されている

家庭の事情による場合 ( 家庭事情型 )

1、高度専門職ビザで在留する外国人の方の世帯年収が1,000万円以上であること

2、帯同できる家事使用人は1名まで

3、家事使用人が18歳以上であること

4、家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること

5、家庭の事情 ( 申請の時点において、13歳未満の子または病気等により自治上の歌人従事することができない配偶者を有すること ) が存在すること

投資運用業等に従事する金融人材が家事使用人を雇用する場合 ( 金融人材型 )

1、金融人材の方の世帯年収が1,000万円以上であること

2、帯同できる家事使用人は2名まで

(2名の場合は世帯年収が3,000万円以上であること)

3、家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること

入国・在留手続の優遇処理

高度専門職ビザの場合は、入国・在留審査が優先的に早期処理が行われます。

1、入国事前審査に係る申請については申請受理から10日以内を目途

2、在留審査に係る申請については申請受理から5日以内を目途

としていますが、必要書類に不備がある場合や申請内容に疑義がある場合は上記の期間より長くなりますし、研究実績のポイントに関する申出内容によっては、法務大臣が関係行政機関の長の意見を聞いたうえで評価を行いますので、優先処理の対象外となります。


高度専門職2号の優遇措置

① 高度専門職1号で認められる活動の他に、その活動と併せて就労に関するビザで認められているほぼすべての活動を行うことができる

② 在留期間が無制限となる

③ 在留歴に係る永住許可要件の緩和

④ 配偶者の就労

⑤ 一定の条件下での親の帯同の許容

⑥ 一定の条件下での家事使用人の帯同の許容

となっております。

※ ③~⑥については高度専門職1号と同じ内容となります。


必要書類について

高度専門職1号ビザの必要書類 (認定)

こちらをご覧ください。

高度専門職1号ビザの必要書類 (変更)

こちらをご覧ください。

高度専門職1号ビザの必要書類 (更新)

こちらをご覧ください。

高度専門職2号ビザの必要書類 (変更)

こちらをご覧ください。

高度専門職の就労する配偶者 (認定)

こちらをご覧ください。

高度専門職の就労する配偶者 ( 変更 )

こちらをご覧ください。

高度専門職の就労する配偶者 ( 更新 )

こちらをご覧ください。

高度専門職の家事使用人 ( 認定 )  ※入国帯同型

こちらをご覧ください。

高度専門職の家事使用人 ( 認定 )  ※家庭事情型

こちらをご覧ください。

高度専門職の家事使用人 ( 認定 )  ※金融人材型

こちらをご覧ください。

高度専門職の家事使用人 ( 変更 )  ※家庭事情型

こちらをご覧ください。

高度専門職の家事使用人 ( 変更 )  ※金融人材型

こちらをご覧ください。

高度専門職の家事使用人 ( 更新 )  ※共通

こちらをご覧ください。

高度専門職等の親 ( 認定 ) 

こちらをご覧ください。

高度専門職等の親 ( 変更 )

こちらをご覧ください。

高度専門職等の親 ( 更新 )

こちらをご覧ください。


まとめ

今回は高度専門職ビザの解説を行っていきましたが、多くのメリットがあるものですので、今回のコラムを参考にしていただけると幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

※ 高度専門職ビザの料金はこちら

まずはお気軽にご連絡ください。